2009年12月31日

中高生のための平和ワークショップin佐喜眞美術館

沖縄も寒さが増してきましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
年の瀬も迫り、2009年も残すところ1日となりました。

さて、12月12日、宜野湾市助成事業「はごろも市民大学」の一環で宜野湾市にある佐喜眞美術館で県内の中高生を対象にしたワークショップをやってきました!

佐喜眞美術館はアートを通して平和や基地問題について発信している美術館で、展示しているアートももちろん、建物の屋上からは普天間基地を臨むことができ、美術館全体で戦争や基地問題について考えることができます。
佐喜眞美術館ホームページ
http://sakima.jp/

ご存知の方もいると思いますが、佐喜眞美術館は普天間基地の一部を返還させ作られた美術館なのです。
佐喜眞美術館の皆さんと一緒にワークショップができたらいいなぁと思っていたので、気合も入りました!
今回は、教員のKさんも協力してくださいました☆


少人数ではありましたが、沖縄本島北(大宜味村)から南(八重瀬町)までの高校生が集まってくれました。
初対面ということもあって、緊張をほぐすための自己紹介を兼ねたアクティビティ。
中高生のための平和ワークショップin佐喜眞美術館




前半は沖縄戦を体験した方が描いた絵と、体験者の話を聞いた芸術家の描いた絵を通して、戦争について考えました。
中高生のための平和ワークショップin佐喜眞美術館中高生のための平和ワークショップin佐喜眞美術館
*NHK沖縄放送局がまとめた『沖縄戦の絵』より4枚の絵をみんなで見ました。


佐喜眞美術館で常時展示されている丸木俊さん・位里さんが描いた『沖縄戦の図』を皆で見ました。
見るたび発見があります。
みんなで見ると一人では見えない部分も見えてきます。
中高生のための平和ワークショップin佐喜眞美術館




その後、美術館館長の佐喜眞さんのお話。
丸木夫妻が沖縄戦の図を描いたいきさつや絵の背景、絵に描かれていることをお話してくださいました。


後半は基地問題についてです。
普天間基地移設問題でゆれているということもあり、参加した高校生はとても関心があったようです。
美術館の屋上に上がって、普天間基地を見ました。
中高生のための平和ワークショップin佐喜眞美術館




そして美術館内へ戻り、前半のワークの感想をグループ内で共有し、そして普天間基地の鳥瞰写真や基地移設に関する世論調査をもとに、基地と地域住民とのつながりについて考えました。
基地が身近にない地域から来ている高校生が多かったので、考えることが多かったようです。
中高生のための平和ワークショップin佐喜眞美術館





最後は、参加者が関心がある社会の出来事やそのことに対する自身の気持ちを確認し、マイケル・ジャクソンの「Heal the World」を聞いて大きな課題ではあるけれど、気持ちを忘れないことを確認して終わりました。

3時間半のワークショップでありましたが濃い時間となりました。
参加者の感想を幾つか紹介します。
・沖縄戦の絵や図を見て、実際に体験していない私にも戦争の悲惨さやどれだけの人が苦しんだのかを痛いほどに感じることができました。沖縄の人々はこういうことを後世に世界中に伝えていく義務があると思いました。普天間基地を見たときは、美術館のすぐそばからもう米軍基地だということに驚きました。こんなに近くにあると、基地の存在が当たり前になってしまうんじゃないかと恐ろしくなりました。今まで基地の事は考えたことがなかったけど、一番はなくすことだと今日のワークショップを通して感じました。難しいことだけど、みんなで動けば実現すると思いました。
・今日のワークショップに参加した目的は「平和について更にモチベーションを高め、今日の学習をきっかけに小さな平和活動へつなげる思考をしてみたい」という期待を抱いていました。今回、印象を最も受けたのは「沖縄戦の絵」です。作者の伝えたい、戦争の無意味さ、悲惨さ、残酷さが表現されていて、おそろしさを改めて感じることができました。佐喜眞さんのご説明によると、体験者の年配の方々は絵として残してほしくないという方もいるとおっしゃっていましたが、私は私たち世代は戦争を経験していないので、本当の恐ろしさを知らない、知らなければまた同じ悲劇をあやまった考えを繰り返してしまうと思った。私達世代は戦争を経験していないからこそ、平和への意識、そして理解を深めていくべきだと強く感じた。他人事ではなく、平和へつなげる努力は私達一人の問題・責任としてこれから小さな努力をしていきたい。
・まず、基地問題に対する考えが大きく変わりました。そして、私も行動しなければいけないと思います。たくさんの沖縄の大人たちが基地を包囲したり、座り込みをして頑張っている姿はニュースなどで見たことがあります。それでも現状はそのままな気がします。だから、私たち中高生が動くべきだと感じました。また、辺野古の近くで生活しているので、これからは積極的に問題に取り組んでいきたいです。


何年も解決できない大きな課題でも、たくさんの人が関心を持って動いていくことで解決へ一歩ずつ進んでいくのでしょう。どのように進んでいきたいのか、進むべきなのか、まずは知ること考えることから始まりますよね。
今回のワークショップは宜野湾市さんはもちろん、佐喜眞美術館さん、Kさん、引率の方々の協力があって実施することができました。また、参加した高校生からも多く学ぶことがあり、私達ももっとこのような場をつくって、一緒に考えていきたいと思いました。今回は、中高生対象としましたが、引率者の教員、保護者の方々も一緒にワークに参加してもらいました。
引率のみなさんも考えることが多かったようで、またこのような機会を持ちたいという声も上がりました。ありがたいことです。
教員や一般の方を対象にしたワークショップも考えていきたいです。
ご協力・ご参加ありがとうございました。



 
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