2012年11月29日

ブラジルで出会った人:具志堅勤栄さん、政幸さん親子

OKINALAR(オキナラ―ル)という金物会社を立ち上げ、経営している具志堅勤栄さん(75歳)、政幸さん親子を紹介!
OKINALARは設立から今年で20年だそうです。
その前は、ブラジルで養豚をやっていたそうですが、その後会社を設立。
息子(次男)の政幸さんをはじめ、三男、四男はデカセギで日本に一度行き、その後OKINALARの経営に関わり始めたそうです。
ちなみに長男は当時養豚業をやっていたため、家業を手伝うためにブラジルに残ったそうです。

OKINALARは家族で経営しています。

会社の名前「OKINALAR」は、沖縄のOKINAWAとポルトガル語で家族を意味する「LAR」を組み合わせたもので、その下に自分の出身地であるTOMORI(八重瀬町東風平字富盛)を書いたそうです。
こうすれば、代々ルーツを引き継ぐことができるのではないかという期待を込めたと話していました。
ブラジルで出会った人:具志堅勤栄さん、政幸さん親子


写真右が勤栄さん、左はいつもお世話になっている島袋さん!

政幸さんがデカセギに出たのは1986年、23歳。大学を中退して日本へ渡ったそうです。
ちょうど二世のデカセギが可能になった時だと話していました。
自分の好きな事だけで、あまり家族のことを考えていなかったという政幸さん。
デカセギに行って、苦労したからこそ、今の自分があると話していました。

半年沖縄にいて、群馬、埼玉、神奈川で働いたそうです。
5年ほど働いて、技術を身に付けた事もあり、アメリカに行かないか?という話があったが、給料が安くなることと、ブラジル国籍でビザがとれなかった事もあり、アメリカ行きを断念したそうです。
その後、ブラジルへ帰国。

86年に初めて沖縄へ渡った政幸さん。
その時の印象を聞くと、「戻った感じで不思議だった」と話してくれました。
小さい頃から親やいとこから話を聞いていたそうです。

驚いたのは、小さな島すぎて、ここではずっと住めないなと思った事。
良い所は治安の良さだとブラジルと比べて話していました。

いつも思うのは、日本人の子であるということ。
どこでも住めるし、それは日本とつながりがあるから。それはとても良いことだと思っていると言っていました。

デカセギに行く人の中には、日本に行って帰ってくると社長になって楽できると考える人も多いが、そうではない。自分は帰ってきてからもとても苦労したと話していました。



現在、デカセギから戻ってくる人が増えてきた、それは日本だけではなく、イギリスをはじめヨーロッパに行った人たちも戻ってきていると話していました。世界での課題になっていること、デカセギで戻ってくる人たちが増える中でサポートもあるけれども、戻ってきて、甘い考えではなく、帰ってきてからも必死になって努力することが必要だと話してくれました。

現在、日本の企業に招待されて、日本の企業を回る機会があるけれど、自分がデカセギに行ったときは見られる側だった、それが今は逆の立場で日本に行けることをとても喜んでいました。
ブラジルで出会った人:具志堅勤栄さん、政幸さん親子


勤栄さんと息子の政幸さん!

勤栄さん、政幸さん親子が言っていた事、日本の子ども達があいさつもできなくなっていること、しつけがされていないのではないかということです。
仕事や儲けることが優先とされ、子どもの教育がおろそかになっているのではないかと。
(この事については、勤栄さん、政幸さん親子だけではなく、県系人の多くが話しています。)
ブラジルでは、誰にでもあいさつするのに、沖縄では親戚と分かっていてもあいさつせず素通りされる、そんな人間関係が希薄になっていることを憂いていました。
日本はモノに恵まれすぎて、ありがたいという気持ちがなくなってきているような気がするとも。

勤栄さん、会社の前と自宅前に桜の木を植えているそうですが、人間を桜の木にたとえ、地上に見えている木の部分は生活そのもの、根っこは見えないが生きていく上で大事な部分、それはうやふぁーふじを大切にする心だと話していました。

沖縄の助け合いの習慣は移住地に残っているといいますが、2世たちがそれを引き継いでいることを勤栄さんはうれしそうに話していました。
OKINALARをはじめ、金物業者が集い、グループ沖縄という組合のようなものをつくっているそうです。
小さな企業で、海外との取引が難しくても、組合を立ち上げ、みんなで協力しあっているそうです。
これは、先祖が与えた良い習慣がまだ残っていることだと力を込めて話してくれました。

「沖縄は本当の沖縄の良さが無くなってしまっているようだ。」
様々な場所で聞くこの一言の意味をどう持ちかえって共有し、考えることができるのか、試行錯誤中です。
皆さんからもアイディア聞いてみたいです!


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