2007年10月31日

久茂地小学校3年生 「世界がもし100人の村だったら」

本日の出前は小学校3年生でした。

3年生の頃の私の世界観はどうだったのだろう?となかなか思い出せないのです。
世界で起っていることを学びの場を作るのが私たちの役目ですが、年齢にあわせて、価値観にあわせて言葉を選び、どう向き合うのかいつも待っていてくれている皆さんの顔を見るまで実は大緊張なんです。(←私に同行するインターンの金城がよく知っていますね。お腹がいたい~が口癖なんですね、わたしは)

久茂地小学校3年生 「世界がもし100人の村だったら」

さて、那覇のど真ん中の久茂地小学校。
授業が始まる前に周りの風景を見回すと・・・凄い大都会だぁ。
クールな小学生で私のこと相手にしてくれなかったらどうしようと不安になりつつ。
ワークショップが始まると。
元気で、楽しくて、そして感情豊かな小学生。(一人で写真を撮れなかったです)



100人村のワークショップは
・世界の男女の比率
・子ども・大人・お年寄りの比率
・大陸別に別れて、人口比率、土地の大きさ
・世界の「こんにちは」
・識字のあるなしを体験
・富の分配 クッキーで体験


上の内容を空間を使用して移動したり、ロールプレイしながら体験したり、考えたりします。
子ども達が何に反応したのか
解説の部分で
「世界の2つの大きな国(インド・中国)では、一人っ子政策や、習慣的に女の子が生まれても売られていく子、戸籍にのらない子、もらわれてしまう子がいます」とゆっくり解説をすると・・・。

胸や頭を押さえて「どうして?」と悲しそうな顔をする子が何名もいました。

富の分配では、クラス32名分、32枚のクッキーがどんな風に分けられるのか。
A, 19名の子は、一人当たりクッキー2分の1枚
B, 6名の子は、一人当たりクッキー4~5枚
C, 7名の子は、一人当たりクッキー8分の1枚

因みに私たちの日本はこのA~Cのどのグループに入るのか?子ども達のほぼ90%ほどが、自分達は普通なグループAだと手を挙げていました。

解説がなくとも子ども達は
 A~Cの不公平な分配がされると・・・
 いんちきー、ずるいー、ひいきー、かわいそうだよー、分けてー、なんだばーと収拾が付かないくらいに大ブーイングです。
 貧しいグループ、普通のグループ、豊かなグループとロールプレイにしても子ども達は実感します。しかし、子ども達の大好きなクッキーです。豊かなグループの多くのクッキーを持つ子ども達はなかなか分けてあげるという一言がでず、悩んでいる様子。
 担任の先生が全員のクッキーを集めて、粉々にしてそれでわけようか?と意地悪に提案しますが、これまたブーイング。

 100人村のワークショップは出前授業の中でも人気がある学びです。
 あまりにも単純化されていることへの批判もあります。世界はそんな単純なことではないと。それは私も同感で、やったところで、ほんとにこれで世界は良くなることに繋がるのか、といつも自問自答しています。

 私たち日本は、豊かなグループBに存在しています。大人の皆さんに同ワークショップをすると、子どもほど大ブーングにはなりません。多くの方々がどこのグループに位置しているのか知っていることも一つの要因のような気もします。こんなに差がある中で生きているのね、と明らかな数値の差を知ってしまった感じの反応に聞こえます。

 それに対して子ども達の反応は正直に、驚き、怒り、でも欲しいという感情は素直ですね。この事実をちゃんと知るということ、幼いうちに実感して生きていくことは大切だと思います。欲張りたい気持ちの中でも、不公平に対する後ろめたさの中で
「じゃあどうやったらみんなが楽しく食べられるのか?」誰かが言い出しました。
「やっぱり、一人一枚だよ!」豊かなグループの子が言い出しました。

 時間が結構かかって、チャイムが鳴るかなとちょっとどきどきした私です。乗り越えるプロセスは大切ですね。この話し合いの時間は3年1組の皆さんにとって大切な時間になってくれるんじゃないかと期待します。3年生でも十分に深く考えることができた時間でした。
 朝から鍛えて頂いた感じです。3年1組の皆さん、素敵な時間、どうもありがとう!
 
(玉・直)


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